就職情報サイトのマイナビは3日、退職代行サービスに関する調査結果を発表した。直近1年間で退職した20代の2割が退職代行を利用していた。退職代行で社員が辞めた企業も2割にのぼり増加傾向だ。退職したくても自ら切り出すことが難しかったり、会社に引き留められて対応に苦慮したりする姿が浮き彫りになった。
調査は7月4〜18日にインターネットで実施した。2023年6月以降に転職した20〜50代の正社員と、24年1〜7月に中途採用に携わった人事担当者が対象。転職者の回答数は800件、企業は1600件だった。
23年6月以降に転職した人のうち16.6%が退職代行を利用した。20代が18.6%と最も多く、30代は17.6%、40代は17.3%と年代が低いほど割合が高くなった。職種では「営業」が25.9%と最も多く、「クリエイター・エンジニア」(18.8%)、「企画・経営・管理・事務」(17.0%)と続いた。
退職代行サービスを利用した理由は「退職を引き留められた(引き留められそうだ)」が40.7%と最も多かった。「自分から退職を言い出せる環境でない」(32.4%)、「退職を伝えた後トラブルになりそう」(23.7%)という声も多かった。
今後、退職代行を利用したい人は20.1%で、23年6月以降に利用したことがある人に限ると、74.2%が「今後も利用したい」と回答した。
24年1〜6月に退職代行を利用して会社を辞めた人がいた企業は23.2%だった。21年から6.9ポイント増えた。業種別では「金融・保険・コンサルティング」(31.4%)、「IT・通信・インターネット」が29.8%、 「メーカー」(25.4%)となった。
マイナビキャリアリサーチラボの宮本祥太研究員は「従業員と企業のコミュニケーション不足が要因の一つ」と推測する。そのうえで「企業はキャリアや退職に関して意思疎通がしやすい環境や風土をつくり、(従業員との)相互理解につながる機会をつくっていくことが重要だ」と指摘する。
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