社会を風刺した作品などを壁に描くことで有名な、正体不明のアーティスト・バンクシーが2024年8月、イギリス・ロンドンの様々な場所で9日間連続して、動物をテーマにした作品を発表。それらの作品を追跡取材していたFNNが、バンクシー本人かもしれない写真にたどり着いた。

バンクシー作品が8月5日から9日間連続で

作品はオークションで30億円近い値がつくこともあるバンクシーが、8月5日から13日にかけて9日間連続で作品を発表。

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それから2カ月経過して、これらの作品たちは今、どうなっているのかーー。
そして、今、なお、謎に包まれるバンクシーの正体の手掛かりは、何か残っていないのかーー。
バンクシー作品のその後を追跡した。

記者が向かったのは、ロンドン中心部の繁華街に現れた猿の作品。今はプラスチックのカバーが付けられている。周辺は観光客も多く、写真を撮っている人もたくさんいた。

周辺にいた人は、「いたる所に落書きがある。この辺りの文化の大きな一部だから、バンクシーの作品は完璧にフィットしているね」と話す。

一方ですでに作品が消えてしまった場所も少なくない。

公開直後に盗まれた狼が描かれた作品は、取材した時点でも戻ってきてはいなかった。

サイの作品でも、作品の一部である車が誰かによって持ち去られていた。

看板に描かれた猫の作品は、業者によって撤去されていたほか、ポリスボックスに描かれたピラニアの作品は当初、器物損壊事件として扱われるとの話も出たが、ロンドン市警察は公共性を考えて、捜査を行わないことにしたと発表している。

閑静な住宅街にあるフィッシュ・アンド・チップスの店の上にはペリカンが描かれていた。

バンクシーの作品のおかげで店に来る客も増えたという店員に、これまでにバンクシーとの接点はなかったのか聞くと、「直接の接点はないけど、この店に来たことはあるらしいんだ。ここに来た時、フィッシュ・アンド・チップスを気に入ったから、戻ってきて、作品を書いてくれたんじゃないかな」と話す。

監視カメラが捉えたのはバンクシーか?

性別や人数さえも分からないままの取材班だったが、この後、謎に包まれたバンクシーの正体に迫ることになる。

ヤギの作品の横に監視カメラが…

記者が向かったのはヤギの作品。
プラスチックでカバーされているが、作品の横には監視カメラが付いている。

建物で働く人にカメラの映像を見せてもらえるか聞いてみると「残念ながら、無理だ」と断られた。

さらに近所で聞き込みを続けると、ジャーナリストの男性が監視カメラの画像を持っているという。男性に見せてもらえるか聞くと、「ああ、いいよ、ちょっと待てる?」と快諾。

見せてくれたのはスマホに保存されていた写真で、工事現場の作業員のような姿の人物が映っている。この人物について男性は、「我々はこれがバンクシーではないかと思っている。マスクをしている右側の方だよ」と話す。

ジャーナリストの男性がバンクシーではないかと話す人物(右)

顔をマスクで隠している男性がバンクシーではないか、というのだ。

街の人からは、「バンクシーが誰かというのは、分からない方がいいと思う。ヒーローには会うなという言い回しがあるんだけど、ファンタジーのままの方がいいよね」という声も聞かれた。

この写真はイギリスの一部メディアでも公開され話題になったが、バンクシー側はコメントしておらず、今も真意は不明のままだ。
(「イット!」 10月3日放送より)

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