10月に入り、山形県内であまり見かけない緑のカメムシが大量発生している。病害虫の専門家によると、その正体は主に関東から西の方に生息しているカメムシで、台風や前線に乗って飛来した可能性があるという。

大量に飛来してくるのは初めて

山形市内のコンビニエンスストアやマンションの部屋の玄関前に、緑が鮮やかなカメムシが集まっていた。
さらに、山形市だけでなく、置賜・庄内と、10月に入って山形県内各地で多数の目撃情報が相次いでいる“緑のカメムシ”。

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夜になると明るい照明に集まってくる謎のカメムシに、取材したコンビニの店員も、ペットボトルですくうなど対応に苦労しているそう。

普段、山形県では茶色っぽいカメムシをよく見かけるが、この大量発生した緑のカメムシは一体何なのか。
県内の病害虫を調査している県病害虫防除所の高部真典さんに、その正体を聞いた。

県病害虫防除所・高部真典業務課長:
あのカメムシはツヤアオカメムシというカメムシで、主に関東から西の方の県で生息しているカメムシ。山形県ではほとんど見ることがなく、今回のように大量に飛来してくるというのは初めてのケースだと思う。

2000年ごろから県内での確認事例はあったものの、年に数匹程度だったというツヤアオカメムシ。
それが2024年は、9月10日ごろに最初の飛来が確認され、10月1日の夜に大量発生が確認された。

高部さんは「生態がよくわかっていないというところもあるが、光に反応してかなり集まってくるという性質があるよう」と話す。

台風で来た?果樹への影響は未知

ちなみに、県内でよく見かける茶色のカメムシは「クサギカメムシ」。

今回はなぜ、緑のツヤアオカメムシが大量発生したのだろうか。
高部さんは「春先から西の方の県でツヤアオカメムシを含む果樹カメムシが大量に発生しているという情報があったので、それがこちらまで台風や前線に乗ってやって来たのではないかと推測している」という。

県内に入ってきたことで、果樹などに影響はあるのだろうか。

県病害虫防除所・高部真典業務課長:
西の方の県では主にかんきつ類が果樹として栽培されていて、かんきつ類で被害が出ているとよく耳にするが、東北の果樹にどう影響するかというのは全く知見がないのでわからない。

高部さんによると、今のところ県内の果樹園でツヤアオカメムシは確認されていないが、もし県内で果樹への被害が出た場合は、調査する必要が出てくるとしている。

対処のコツは“慌てずそっと”

生態に謎が多いツヤアオカメムシだが、冬の寒さには弱いため、「県内で冬を越すのは難しいのでは…」と、高部さんは推測している。

高部さんにおすすめの対処法を聞いたところ、紙コップでそっと下からすくって外に出してあげるといいそう。

カメムシは、びっくりしたり命の危険を感じたりすると、あの強烈な匂いを発してしまうので、見つけた場合は慌てずそっと対処してみてほしい。

(さくらんぼテレビ)

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