「琵琶湖の美味しい粉」を開発・販売する「琵琶粉」のメンバー=滋賀県守山市役所で2024年10月2日午後4時7分、礒野健一撮影

 立命館守山高(滋賀県守山市三宅町)の3年生5人が模擬企業「琵琶粉(びわこな)」を設立し、琵琶湖産の湖魚を使ったふりかけ「琵琶湖の美味(おい)しい粉」を開発、販売を始めた。「社長」を務める山田健太郎さん(18)は「商品に適さない湖魚を再利用し、家族で気軽に食べられる商品ができた。琵琶湖や湖食文化の魅力を全国に発信したい」と意気込んでいる。

 5人はいずれも生徒会執行部に所属し、さまざまな学校行事を運営。「何か新しいことに挑戦したい」と、商品開発から販売までを手がけるプログラムのコンテスト「リアビズ 高校生模擬起業グランプリ」(NPO法人金融知力普及協会主催)への応募を考え、湖魚を使った食品を作ろうと、今年5月から活動を始めた。

 漁協を取材し、魚が苦手な子供でもふりかけなら食べられるとのヒントを得て、湖魚を扱う企業に電話で協力を呼びかけた。なかなか話を聞いてくれる企業がない中、創業70年の老舗「佃煮(つくだに)の伊吹」(長浜市一の宮町)から「若者の湖魚離れを一緒に考えよう」と返事をもらい、共同開発がスタートした。

 調理時に腹が裂けたり頭が取れたりして商品化できず、廃棄しているワカサギやコアユを原料とし、味付けはしょうゆ、みりんなどで調整。県産の実山椒(みざんしょう)でアクセントを付けた。品名は「分かりやすくインパクトのあるものを」と名付け、ロゴやパッケージデザインも自分たちで考えた。9月の学園祭で試食会を開くと、子供から「おいしい」と笑顔を向けられたという。山田さんは「同年代の若者にも肯定的な反応が多く手応えを感じた」と自信を見せる。

 10月からは長浜まちの駅などで販売し、琵琶粉のホームページからオンライン通販も始めた。リアビズは一次選考を突破し、販売実績などをまとめて12月に最終選考に臨み、高校生起業家ナンバーワンを目指す。

 販売はリアビズの規定で11月7日まで。1袋40グラムで税込み550円。オンライン通販では別途手数料が必要。【礒野健一】

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