阿部俊子文科相

 教員の処遇改善策として文部科学省が創設を検討している中堅層向け新ポストについて、一部から基本給引き下げを懸念する声が出ていることに対し、阿部俊子文部科学相は25日の閣議後記者会見で「基本給の引き下げは考えていない」と述べた。

 文科省は2026年度から、若手をサポートする中堅教員らを対象とした新たな職を創設し、給与も改定する方針を示している。一方、一部の現職教員らからは、財源確保を理由に新ポストに該当しない若手教員らの基本給が引き下げられる恐れがあるとの指摘がある。インターネット上で新ポスト創設に反対する署名活動も4日に始まっており、25日時点で2万6000筆を超える署名が集まっている。

 阿部氏は「公立学校の教員給与は地方自治体が定めるが、文科省としては、新たな職の創設に伴う教諭の職責の変更は想定をしておらず、基本給の引き下げは考えていない」と話した。自治体が独自判断で引き下げる可能性については「これからさまざまな議論が出てくると思うので、対応も含めた形で進める」と述べるにとどめた。【斎藤文太郎】

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