秋田犬や比内地鶏と並ぶ秋田県固有の動物「ジャンボウサギ」の美しさや大きさを競う「第37回全国ジャンボうさぎフェスティバル」が同県大仙市であった。大きさを競う品評会に合わせて競りも行われ、昨年を1万1000円上回る最高値の5万円で競り落とされた。初めて中国出身者による買い付けもあり、国内外からの注目度が高まっている。
フェスは体重10キロ近い大きさに成長するウサギ「秋田改良種」の保存や改良を奨励するために開催。今年も10月27日に開かれ、飼育が盛んな大仙市や美郷町などのほかに栃木県、青森県、広島県からも出品された。新たに北海道からの参加もあった。審査員は計57羽のウサギの毛並みや耳、脚などの育ち具合を丁寧に審査していた。
今年は猛暑の影響で体重8キロ以上の「ジャンボ級」にエントリーできたのは2羽にとどまった。2年前の春に生まれ、体重9・1キロ、体長55センチに成長した「べにさやか号」(雌)が2年連続で最高賞の名誉賞に選ばれた。飼育してきた大仙市の戸堀和広さん(60)は「食欲が落ちないように暑い夏場はできるだけ涼しい場所に置いてきた。いいウサギに恵まれている」と喜んだ。
会場では昨年に続き、ウサギの競りが実施され、45羽が並んだ。重さに応じて6000~1万3000円の最低価格が設定され、このうち1羽が5万円で落札された。
また今年は関東在住の中国出身者がまとめて4羽を買い付けた。貿易業に携わっているという50代の男性らは「中国では四川省あたりでウサギを食べる習慣があるが、こんな大きくない」と驚いた様子。「ウサギを飼いたいと思ってネットで探し、このフェスを見つけた。過去に買った小さなウサギは1羽5000円ほどだったので、こんなに大きくてこの価格なら割安だと思う」などと印象を語った。
従来この地域で食肉用に飼育されてきたが、近年は県外を中心に需要が高まっているという。出品者の1人は「奈良や東京、埼玉、新潟の人から秋田のウサギの肉についての問い合わせを受けている」と話した。また「ペットとして飼ってみたい」という声もあるといい「ジャンボウサギがさまざまな形で注目され、フェスの関心も高まることは主催者にとってもいいことだと思う」と語った。
大仙市中仙支所では、飼育などに関する情報を提供している。問い合わせは(0187・56・2113)。【工藤哲】
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