2日、愛媛を襲った季節外れの大雨。例年なら雨の少ないこの時季に、なぜ大雨が降ったのでしょうか。

この雨を降らせた主な原因は「温帯低気圧」ですが、実は「ただの温帯低気圧」ではなく直前まで『台風21号』だったことがポイントです。

『元台風』ということで熱帯由来の暖かく湿った空気をたくさん持っていて、まさに大雨を降らせる可能性が十分にありました。

さらに「この温帯低気圧に向かう西風」と「豊後水道から来る南風」のぶつかり合いがかなり強まり、雨雲がどんどん発達。滝のような雨を降らせるほどに発達して、県内に流れ込んだため大雨になりました。

また、今回の雨は短い時間に一気に降ったのが特徴です。
1時間に降った雨の量は松山で78.0ミリ,、今治で54.0ミリなど4つの地点で観測史上一位を記録しています。

記録的な大雨で、冠水の被害などはあちこちで発生しましたが、幸い人的な被害は出ませんでした。
その理由の一つが『雨雲の動き』にあります。

2日の雨の様子を見てみますと、県内には午前10時頃から活発な雨雲がかかり始め、午前11時には赤色の猛烈な雨を降らせる雨雲が県内にかかります。松山の周辺などは真っ赤です。
ただ、夏場と違うのは、雨雲を動かす上空の偏西風が徐々に強くなっていること。
このため雨雲は停滞せず偏西風に流されて足早に東へと離れていき、午後1時半には抜けていきました。
だから、雨の時間が比較的短かったんです。もし雨雲が停滞していたら、被害はこれくらいですまなかった可能性があります。

今回は人的な被害は出ていませんが、国内の雨の降り方は変わってきています。
今後も油断せずに早めの対策をしてください。

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