再生医療事業で急成長するベンチャー企業「セルソース」。
多くの医療機関とのつながりを生かして、新治療の開発、細胞の加工受託などを提供していますが、施設内で厳重に保管されていたのが、凍結された卵子です。
セルソース担当者:
凍結された卵子を保管している機器。この中に、約3000個の卵子が保管されています。
女性の労働機会の増加や晩婚化が進む中、注目が集まる“卵子凍結”。
「働く女性の選択肢を増やし、より輝ける社会を作りたい」、そんな思いから、医療機関と企業が一体となった、支援の輪が広がっていました。
木場公園クリニック・吉田淳院長:
人生をデザインしようということで、卵子凍結をご存じでしょうか?若い時の卵子を保存することができるので、加齢による質の低下を防ぐことができる。
伊藤忠商事で行われた、卵子凍結に関するセミナー。
会場を見ると、女性だけではなく、多くの男性社員の姿が。
“卵子凍結”とは、将来の妊娠に備えて若い内に卵子を取り出し、凍結保存すること。
子どもを授かりたいタイミングで体外受精し、体(子宮)に戻す仕組みです。
今回、再生医療事業を展開する企業「セルソース」と一体となり、セミナーを開催した理由とは…。
伊藤忠商事 人事・総務部の鈴木有佳子さん:
海外駐在もありますし、出向であったり、本社内にいたとしても、今は仕事を頑張りたい、このプロジェクトを成し遂げたいという時がある。妊娠とか出産は、どうしても期限が決まっているものでもあるし、期間が少しでも伸ばせたり、自分ができる選択が増えた。
キャリアプランとライフプランの両立を目指し、卵子凍結を望む女性が増えていると言います。
一方、セミナーでは課題面も発信。
木場公園クリニック・吉田淳院長:
「いくつで凍結すればいいの」とよく聞かれるが、できれば30代半ばくらいまでに。
卵子凍結をしても、将来必ずしも妊娠できるものではないというリスクや、高額な医療費、体の負担面への理解も促進。
企業と共に女性社員をサポートする環境を作りたい狙いがあります。
伊藤忠商事 人事・総務部長の垣見俊之さん:
しっかり男性も理解をして、フェムテック施策を推進することが、多様な人材の活躍できる環境整備につながる。フェムテックは昨年度から強化しているが、女性の健康課題と、主体的なキャリア支援をいかに推し進めるか。今後の日本企業の持続的な成長という観点からは避けて通れない。
また、「セルソース」は2024年から、福利厚生の一環として導入できる「卵子凍結の保管受託サービス」を開始。
卵子凍結に関する不安を取り除くため、病院・クリニックと提携し、初診の相談から凍結保存まで一貫して行えるプラットホームを形成。
「伊藤忠商事」など複数の企業が導入し、卵子凍結に関わる一部費用を女性社員の代わりに負担する事例も出てきています。
セルソース 卵子凍結事業・橋本千尋さん:
治療するにあたって、「職場になんて言ってお休みを取ろうか」や、「家族も含めて周りの方に話した時に理解してもらえるんだろうか」とか。初婚の年齢だったりとか、第1子の出産の年齢っていうのもだんだん上がってきていて、正しい情報をいかに多くの方に早くお届けられるか。
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