野球の普及などを目的に岩手県内の中学生野球で硬式ボールを使うチームと軟式ボールを使うチームとの交流戦が、11月9日に盛岡市内で行われました。

9日きたぎんボールパークで行われた県中学生野球交流大会は、小学校から高校まで県内6つの野球団体の普及などを担う県青少年野球団体協議会が初めて開きました。

この日対戦したのは軟式野球の県中体連代表・雫石中学校と、硬式野球のボーイズリーグ代表・矢巾町と宮古市で活動する岩手中部ボーイズ。

別々の団体に所属しているほか使っているボールやバットの種類が違うため、本来は対戦することはありませんが両チームともに試合前から気合い十分です。

岩手中部ボーイズ(硬式野球)の選手
「自信は、まあまああります」

雫石中学校(軟式野球)の選手
「いつものバッティングをしたい。ホームランを打ちます」

いわば野球の異種格闘技戦、中学生のこうした交流戦は県内では初めてです。

協議会はこの試合を通して野球の普及や所属団体の選択肢を広げてもらいたいとしています。

県青少年野球団体協議会交流大会担当 細川幸希さん
「使うボールが違えど、何か一つのことをやっているというのは、これから野球を始めようと思っている子どもや保護者への良いイメージにつなげられればと思う」

グラウンドに用意された硬式ボールと軟式ボール、いよいよ試合開始です。

試合のルールはこうです。
守備側のチームは普段自分たちが使っているボールを使用、反対に攻撃側にまわると軟式野球の雫石中学校は硬式ボールを、硬式野球の岩手中部ボーイズは軟式ボールを打つことになります。

イニングの表と裏が切り替わるたびに審判がボールを変えるという珍しい場面も見られました。

試合は序盤から硬式ボールをうまく捉え続けた雫石中学校が得点を重ね、11対0で岩手中部ボーイズを破りました。

試合を終えた中学生たちはいつもとは違うボールで野球をしたことに新鮮さを感じたようです。

硬くて重い硬式ボールを打ち手がしびれたという選手は…。
雫石中学校(軟式野球)の選手
「軟式だとバットも違うんですけど、当たったときにああいう感覚がないので『痛いな』って思いました。硬式を中学校で経験して高校に上がれるのは大きなことだと思います」

一方で軟式ボールの打ち方に戸惑ったという選手もいました。
岩手中部ボーイズ(軟式野球)の選手
「バットにボールが当たった瞬間に(ボールが)つぶれる感覚があって、『やっぱり違うんだな』と思った。新しい視点で野球を行うことができると思う」

協議会は2025年以降も参加チームを増やしてこの大会を運営していきたいとしています。

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