今冬にリニューアルする、JRの青春18きっぷ(見本)。「利用開始日から連続する5日間有効」と記載されている=JRグループ提供

 JRの「青春18きっぷ」の仕組みが、今冬から大きく変わる。SNS(ネット交流サービス)では「改悪」との指摘も上がる今回の変更。何が、どのように変わるのだろうか。【原田啓之】

 Q 冬休みが近付いてきたね。青春18きっぷで、どこかへ行こうかな。

 A JRの普通(ふつう)・快速列車を自由に乗り降りできる切符(きっぷ)ですね。旧国鉄時代の1982年に「青春18のびのびきっぷ」として発売され、2023年度は約62万枚も売り上げました。鉄道ファンらの根強い人気がありますが、11月26日発売の今冬分からは大幅(おおはば)に変わります。

 Q どう変わるの?

 A 従来は、JR全線で1日乗り降りし放題の切符が、1枚(5回分)で1万2050円でした。春季、夏季、冬季に販売(はんばい)され、それぞれの期間内ならいつでも使えました。

 今冬からは、5日間用(1万2050円)と3日間用(1万円)の2種類になります。乗り降りできるのはそれぞれ、利用開始から連続5日間と連続3日間に限定されます。

 Q 分けて使えなくなるんだね。

 A そうです。従来は自分のスケジュールに合わせてバラバラの日に乗車できましたが、そういう使い方ができなくなります。

 もう一つの変更(へんこう)は、複数人利用の制限です。従来はグループ旅行などの際に1枚を複数人で分けて使うことができましたが、今後は1人ずつ購入(こうにゅう)する必要があります。

 Q どうしてこんなに変えたのかな。

 A JR東日本によると、青春18きっぷはこれまで駅員が改札していましたが、今冬から自動改札機を通せるように変更しました。これに伴(ともな)い、「システムの都合上、1枚の切符を日を分けずに連続で使用する必要があった」と説明しています。

 Q これまでの方が便利だったね。

 A インターネットでは「改悪だ」と嘆(なげ)く声が相次いでいます。ただ、切符や鉄道のあり方は時代によって変わるものかもしれませんね。

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