青いドレス姿でカメラに笑顔を向ける女性がいた。
彼女が撮影しているのは、なんと「遺影」です。
能津喜代房さん：
いま僕見てるね。ここ見て話してシャッターが切れない。
和やかな雰囲気で撮影をするのは、“遺影専門の写真家”、能津喜代房（76）さんです。
能津喜代房さん：
残された家族のために自分らしい一枚を残しておく、一枚撮っておくとね、それは家族にとっては悲しい写真じゃなくて、宝物。幸せな一枚になるんですよ。
“家族にとって宝物になる写真を残したい”
その思いで、能津さんは遺影を撮り続けています。
この日、能津さんの元を訪れた親子。父親は来年90歳を迎えるといいます。
父：
「家族のためだから、お父さん一緒に付き合ってくれ」って。
能津喜代房さん：
家族へのプレゼントだから きょう1枚、かっこいい写真撮ろうね。
能津さんが大切にしているのは「その人らしさ」。
撮影中、父親の顔に笑みがこぼれます。
息子：
いつもあまり笑わないんですけども。
笑顔を自然に出させて頂いて本当に来て良かったなと思います。
能津さんは、義理の父が亡くなった際、遺影にする写真がなく後悔。そこから17年間、遺影を撮り続けているのです。
能津喜代房さん：
遺影写真家として、皆さんを撮っていくことが自分の使命みたいに感じて、僕は遺影を文化にしたい。遺影写真を撮るというのが当たり前の文化になればいいと思って頑張っている。
残された家族に素敵な宝物として残り続けるように。
撮影を続ける能津さんの活動はあすも続きます
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