瑞宝中綬章に選ばれ喜びを語る東大名誉教授の御厨貴さん

29日付で発表された令和6年春の叙勲受章者。東大名誉教授の御厨(みくりや)貴さん(73)が瑞宝中綬章に選ばれた。

近現代日本政治史を専門に、宮沢喜一元首相ら政治家や官僚から歴史的な証言を引き出し、口述記録「オーラルヒストリー」の分野を確立した第一人者。瑞宝中綬章の知らせに「ありがたく頂戴したい。オーラルヒストリーの発展が認められてよかった」と破顔した。

口述記録を始めた頃は重要性が理解されず、断られ続けた。「まさに闘いだった」。突破口となったのが「カミソリ」の異名を取った後藤田正晴元官房長官。最初は渋られたものの、当事者が証言することの大切さを訴え、説得に成功した。

明治期の政治史研究も手がけ、初代首相・伊藤博文らの書簡を読み込んだ目からは、今の政治家は視野が狭く、小さく見える。「オーラルヒストリーに耐えられる政治家はどれくらいいるのだろうか」と手厳しい。

73歳となっても好奇心は尽きない。「政治とは、政治家とは何か。具体例を取り上げ、研究したい。集大成ですね」

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