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今は高タンパクで低カロリーな食事が善とされる時代。だから米飯やパスタみたいな炭水化物の塊は、どうしても敬遠されがちだ。

精製された白米や小麦粉は消化がいいから、食べるとすぐに血糖値が上がりやすい。それは事実。それでホルモンの一種であるインスリンが分泌され、血中の糖分を生存に不可欠なエネルギーに変えているのだが、これが過剰かつ慢性化するとインスリン抵抗性が生じ、2型糖尿病や肥満のリスクが高まる。


しかし、英キングズ・カレッジ・ロンドンのティム・スペクター教授(科学的に健康な食生活を推進する新興企業「ゾーイ」の共同創業者)に言わせると、パスタを敵視するのは間違いだ。「精製された白いパスタは食物繊維が少なく消化が早いため、単独で食べると血糖値の急上昇を招きやすいが、うまく他の食材と組み合わせれば健康的な食事になる」

パスタや白米に食物繊維や脂肪、タンパク質などの豊富な食材を組み合わせれば血糖値の上昇を穏やかにすることができる。大事なのは栄養のバランスだとスペクターは強調する。「豆類や野菜をたっぷり加えたパスタ料理なら、良質なタンパク質と食物繊維をたっぷり摂取できて栄養のバランスが取れる」

また、パスタは冷めると一部がレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)に変化するので、血糖値への影響を抑制できる。血糖値の急上昇を避けたいなら、いったんパスタを冷ましてから食べるといい。

「パスタ料理は栄養豊富な食品を取り入れる素晴らしい手段だ。全粒粉のパスタを選べば食物繊維の摂取量も増やせる」と教授は言う。全粒粉が苦手な人は「良質なデュラム小麦のパスタに食物繊維が豊富な野菜を加えるといい」とも。


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