11月29日の「いいにくいことをいう日」を前に、生理やPMSについての調査で、多くの人が言いづらさを感じていることが明らかになった。専門家は、婦人科での相談が症状軽減や、心理的負担の解消につながると呼び掛けている。

言いにくい生理の悩みに共感と改善の声も

11月29日は、「いいにくいことをいう日」。
体の悩みも、言いにくいことの一つ。言いたくても言いにくい「生理にまつわる悩み」を皆さんはどうしているのだろうか。

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IT関係(30代):
オブラートに包んじゃうかもしれないです。「腹痛」とかで。

事務系(40代):
基本、女の人に対しても言いにくいです。やっぱり分からない人には言いにくいところもあるので…。

11月29日、「いいにくいことをいう日」を前に、医薬品メーカーのツムラは、生理経験がある6000人(全国15〜49歳)を対象に、生理やPMS、生理前の心やカラダの不調に対する理解度の調査結果を発表した。

そのなかで、自身の生理痛やPMSについて、周りに話をしたいかという質問に、約3人に1人に当たる34.2%が「言いづらい」と回答。言いづらさを「感じない」は32.5%、人には言いたくないは33.3%という結果になった。

また、「言いづらい」と答えた人の80.1%が、生理痛やPMSの辛さを「もっと気軽に伝えたい」と感じているという。

看護師(30代):
私自身は看護師なので女性が多いが、やっぱり男性職員に(体調不良の)理由は知られたくないが、仕事にちょっと遅れていきたいとか。どうやって男性職員に隠すか、そこがすごく難しいなと感じたことはあります。

保険関係(30代):
通常通りのパフォーマンスが、いつもよりギアを入れないと出来ないときがあります。そういう意味では困ります。

一方、生理について48.5%の約2人に1人が、辛いときは周りの人へ伝えると回答。そのうち、「辛さを伝えてよかった」と感じた人は、実に83.7%に上った。

本音を打ち明けることで、気持ちが楽になったと実感する人が多いようだ。いまだに言いにくさが残る生理やPMSの悩み。職場について聞いてみた。

ーー社内で直接伝えている人は。
事務系(40代):

うちは古い体質なので、ないですね。言う雰囲気もあまりない感じ。

看護師(30代):
(悩みを)言いやすい社会になってきた気がする。「〇〇なので」と、それをダイレクトに伝えてくれる部下が増えた気がする。それがあるのが当たり前だからって。

他にも管理職の男性からは、次のような声が上がった。

IT関係(50代): 
遅くなるのは女性特有(の事情)なので、「それはしょうがない」と私は理解したので。「すみません、今日は遅刻します」とその一言でいいから連絡だけはしてと。自分の体調に合わせて出社して、仕事してくれるので。

また、生理やPMSについて「以前より話やすい風潮になったと思う」と回答した人は、10代が56.2%、20代が49.8%、30代が49.5%、40代が50.4%となっており、どの年代でも約半数の経験者が「以前より話やすい風潮になったと思う」と回答した。

生理を取り巻くコミュニケーションの環境は、少しずつ変化を見せているようだ。

生理やPMSの症状は自分のせいではない

「Live News α」では、産婦人科専門医で、4人のお子さんを育てる母でもある稲葉可奈子さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
デリケートな体の悩みについては、言いづらいという方は多いということですが、稲葉先生は、どうご覧になりますか。

産婦人科専門医・稲葉可奈子さん:
生理痛やPMSの辛さが、症状として表れることは何も恥ずかしいことではありません。ここで大事なのは、その症状は本人のせいではないということです。

自分でコントロールすることも出来ないし、セルフケアによって、症状を軽くすることも、なかなか難しいです。あくまで女性ホルモンの仕業だということです。

堤キャスター:
調査では、言いづらい理由の1位が、「分かってもらえなさそう」となっています。これについては、いかがですか。

産婦人科専門医・稲葉可奈子さん:
症状がとても軽い方もいれば、ものすごくしんどいという方もいます。症状には、とても個人差があることが影響しているように思います。

特にPMSはメンタルの症状も多いので、自分のせいと思ってしまっている方も多いのですが、全くもって自分のせいではありません。

自分でコントロールできるものではありませんが、治療することはできます。婦人科でご相談頂ければ、保険診療で症状を軽減することができます。

治療で症状改善と心理的負担の軽減を

堤キャスター:
仕方がない、我慢するしかないと諦めてしまうのではなく、症状を軽くすることができる訳ですね。

産婦人科専門医・稲葉可奈子さん:
誰も我慢する必要はなくて、自分のせいでもなく、治療すると楽になれるということが、もっと知られてほしいと思います。

私のクリニックにも、生理痛やPMSで毎月の約半分がしんどく、仕事も休んだりしていた方が、相談に訪れると、適切な治療によって、しんどかったのが、嘘のように調子が良くなり、「休まなくてよくなりました」と、笑顔になられる方がたくさんいます。

相談しづらい、と感じる必要はないのですが、もし人には言いづらいと感じても、ぜひ婦人科には相談に来ていただきたいです。そうすれば、「我慢するしかない、誰かに相談しずらい」という心理的な負担からも解放されます。

堤キャスター:
身体のこととなると、どうしても話しにくいと感じる部分もありますが、相談することで楽になったり、解決につながったりすることもありますから、話しやすい環境を作ることも大切なように思います。
(「Live News α」11月28日放送分より)

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