盛岡市動物公園ZOOMO(岩手県盛岡市)の動物病院は老朽化が深刻な問題となっています。
動物たちを長年にわたって守り続けてきた施設を新たに整備するため、ZOOMOは県内外への支援を訴えています。
盛岡市動物公園ZOOMOの動物病院は、35年前に展示エリアの外側の非公開の場所に整備された施設で、現在は至るところに老朽化が見られるため新築移転が急務となっています。
獣医の松原ゆきさんが入院室の現状を見せてくれました。
盛岡市動物公園ZOOMO 松原ゆき 獣医師
「一番危ないのは、 基礎が壊れていたり鉄がさびてしまって、動物がけがをする可能性があるし脱走してしまったりとか」
現在入院しているのは盛岡市内でけがをしているところを保護された、特別天然記念物のカモシカと、園内で飼育されている絶滅危惧種のイヌワシです。
こうした貴重な個体を含め園の内外の動物たちの健康を守っている施設である一方、決して良いとは言えない環境での診療を余儀なくされているのです。
盛岡市動物公園ZOOMO 松原ゆき 獣医師
「動物福祉という面では動物ファーストではない場所での治療の継続は非常に良くない状況」
こうした中、ZOOMOは先週、新たな動物病院の整備費用を集めるため11月まで行われていたクラウドファンディング型のふるさと納税が、目標額の1000万円を超えたと発表しました。
しかし、これまでの寄付も合わせると合計で2400万円ほどが集まっている一方、整備に必要な費用1億1000万円の2割ほどに留まっている状況です。
費用は全額寄付で賄うことが決まっていることからZOOMOでは引き続き県内外へ支援を訴えています。
このため、新たな動物病院への理解を深めてもらおうと建物のデザイン案も発表されました。
南部曲り家をイメージした約200平米の平屋建てで、園内の中心・牧場エリアの近くが建設予定地だということです。
松原獣医師は、「伝えたい思いとか見せたい動物の姿があるので、この先も引き続き支援をお願いしたい」と話します。
ZOOMOでは新たな病院について来園者に展示する形を想定していて命の大切さを伝えていきたいとしています。
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