新型コロナウイルスの影響も落ち着き、以前のような日常が戻ってきているが、高齢者に心配される「フレイル(虚弱)」と呼ばれる状態をご存じだろうか?

フレイルは身体的機能や認知機能が少しずつ低下していくことで、要支援や要介護状態の手前になっている段階を指す。
コロナを機に自宅にこもりがちになった高齢者を襲う、新たな危機となっているという。

孤立と運動不足が招く「フレイル」

そこで、年末年始を実家で過ごす人には、親の生活様式がコロナ禍前後でどう変化したかを確認してほしい。

いまだに感染を過度に警戒して外出を控え、誰とも話さない日々が続いている場合は要注意だ。

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運動不足による足腰の衰えや会話をしないことで認知機能が低下し、何も対策を取らなければ「フレイル(虚弱)」状態に陥りかねないからだ。

そこで、ウェルリンク社にて「介護と心の相談室」などで介護者や当事者、企業向けの相談を受けている、ケアライフコンサルタント・飯野三紀子さんに、親の行動のどういった点に注目し、異変を感じた場合はどう対応するのが望ましいかを聞いた。

注目は筋力低下の“進み具合”

「我々現役世代もコロナを機にリモートワークが増え、運動量が圧倒的に減りました。高齢者はもっと感染を恐れて外出を控え、それまで参加していた集まりやジムに行く回数が減ったはずです」

ケアライフコンサルタント・飯野三紀子さん

「アクティブだった高齢者があまり外出しなくなると、運動機能が衰えていく『ロコモティブシンドローム(運動器症候群)』になっていきます。これは筋肉や骨が弱り、立ったり歩いたりすることが困難になる状態のことです。

さらに進むと『フレイル(虚弱)』状態になり、認知機能や免疫力など全身の衰えにつながっていき、『要介護』が目前に迫ってきます。誰でも年齢を重ねれば筋力は落ちますが、その“進み具合”が激しいかどうかを確認してください」

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注目すべきは「立ち上がる」動作や「つまずき」やすくなっていないかだという。

「立ち上がる時に何かにつかまって相当の力を入れないと立てない場合は、足の筋力がかなり低下しています。また、歩く時に足が上がらずつまずきやすくなっていたら、手すりを付けたり、段差や絨毯をなくしましょう。

転倒して大腿骨などを骨折すると、そこから認知症を発症するリスクがあるので、早めの対策が必要です」

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