今や子どもたちの学校生活に欠かせない水筒だが、2023年に消費者庁は水筒を下げたまま転んだ時に大ケガをする恐れがあるとして注意を呼びかけた。熱中症予防や防災意識の高まりから必需品となっている水筒だが、事故を防ぐため何ができるのか取材した。

内臓破裂や一部摘出のケースも

消費者庁によると、子どもが水筒を斜めがけにして通学中に転んでしまい、地面と腹の間に水筒が挟まる事故が、全国の医療機関から寄せられているとのこと。小腸破裂や内臓の一部摘出にまで至るケースもあったということで、思わぬ事故で重大なケガにつながる恐れもある。

出典:消費者庁
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ママ目線のちょっとした工夫

ママたちを中心としたスタッフが、子育てアイテムを製造・販売している福島市の「マザーソリューション」では、この問題を解決しようと動き出した。
新たに作ったアイテムは、その名も「背中でキープベルト」。転んだとしても水筒が腹の方に来ないよう、背中側に固定することができる製品だ。

背中でキープベルト

マザーソリューションの齋藤祐子社長は「ものづくりをしている人間として、ちょっとした工夫で事故の防止を実現することができるのではと商品を作った」という。

学校生活の必需品となった水筒

全校児童約150人のほとんどが、水筒持参で登校している福島市の荒井小学校。近年の猛暑に加え、震災後は水道が止まったときの防災の意識などから水筒が定着したという。また新型コロナ流行中は、感染拡大防止の観点からさらに水筒の利用が進んだという。

いまや児童の必需品となった水筒 ほとんどの児童が持参していた

星秀文校長は「子どもたちも水分補給はすごく大事。ほとんどの子が水筒を持ってくるようになった。転んだときは危ないので、注意喚起はやはり必要」と話した。

幼い子ほど要注意

福島県立医大附属病院小児外科の田中秀明教授によると、小学生くらいまでの子どもは、腹の筋肉が十分に発達していないことや、肋骨が頑丈ではなく外部からの衝撃に弱いことなどから、水筒の事故で大ケガにつながりやすいという。

福島県立医大附属病院・小児外科 田中秀明教授

最悪の場合、命に関わるケースもあるので、腹を強く打ったあとに痛みや嘔吐などの症状があれば、すぐに小児科を受診してほしいとのこと。

事故を防ぐ3つの対策

転倒以外にも、田中教授は「遊具で遊んでいるときに、水筒のひもが引っかかってケガをする」といったことも想定されるとしている。
消費者庁は「水筒はなるべくリュックサックなどに入れる」「水筒を掛けながら走らない」「遊具などで遊ぶ場合は水筒を置いて遊ぶ」と3つの対策を呼びかけている。

事故防止のための3つのポイント

「思わぬ事故」が起こりうるということを念頭に置きながら、子どもたちをしっかりと見守ることが大事なのかもしれない。

(福島テレビ)

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