国内でも数カ所しかない「こどもホスピス」を福井県内に開設しようと活動している団体があります。2024年4月にNPO法人に認証された「ふくいこどもホスピス」です。
終末期の患者の「緩和ケア」を目的にしている「ホスピス」に対して、「こどもホスピス」は命を脅かすような重い病気の子供や家族の「支援」が目的です。
例えば、子供がやりたいことや遊びを実現できるようスタッフがサポートしたり、キッチンやお風呂など、自宅のような設備を備え、家族と子供が安心して楽しく過ごせる時間を提供したりする施設です。
県内でこうした施設の開設を目指すNPO法人「ふくいこどもホスピス」が14日、闘病などで遊べる場所が制限される子供やその家族たちに、楽しい冬の思い出を作ってもらおうと、坂井市内でクリスマスをテーマにした交流会を開きました。
「ふくいこどもホスピス」が開いたクリスマス交流会では、自分の背丈以上にブロックを高く積み上げる子や、ボランティアと毛布を使ったリズム遊びを楽しむ子など、病気の有る無しに関わらず思い思いに遊んでいました。
ふくいこどもホスピスは、一人息子が小児がんを患い、こどもホスピスを利用した経験がある、鯖江市の石田千尋さん(41)の活動からスタートした団体です。
ふくいこどもホスピス・石田千尋代表:
「こどもホスピスの活動では、子供一人一人のやりたいことを叶えてあげたいと思っている。一つの空間にいても、自分がやりたいことを、やりたい場所で、やりたい人とできるのがいいなと思っていたので、まさに“模擬子どもホスピス”のような空間になった」
最後には、お待ちかねのサンタの登場です。一足早いクリスマスプレゼントを受け取った子供たちは、嬉しそうな表情を浮かべました。
参加した子供の様子について母親たちは「歌の時はリズムに乗って楽しそうにしていたり、サンタさんにもプレゼントもらってすごい楽しいひと時を過ごせて良かった」「医療的ケア児なので、感染症が気になるというのもあり、なかなか遊ばせる場がないので、参加できたことはかなり良かった」とその心境を語りました。
また「下の子は遊びまわりたいので、一緒に参加できる場所というのはすごく貴重で、とてもありがたい」と話す親もいました。
この日は、「ふくいこどもホスピス」のテーマソングの初披露もありました。作ったのは、活動に賛同する鯖江市出身のミュージシャン・前田一平さんです。
病気と闘う子どもや、その家族にエールを送る曲です。
♪特別なこと なくたって あなたがいる 私もいる♪
♪きっとそれだけで それだけで 今日も一日 楽しかったね♪
「私たちの活動の中心には子供たちがいるのだけれど、私自身も子供を亡くした経験者として、子供を支える親や兄弟、周りの人にもエールを送りたいなと思っていたので、まさにぴったりな曲」(石田代表)
団体の今後について石田代表は「まだ施設がない分、イベント的にはなってしまうが、ちょっとお話会しましょうか、など、ちょっとしたやり取りができるような団体になっていくといい」と話します。
こどもの幸せを最大限に叶え、家族も笑顔になれる施設の開設に向けて。「ふくいこどもホスピス」はより支援を得られやすい認定NPO法人化を目指しています。
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