全国で感染が急増している「梅毒」。長野県内でも増加していて、11月24日現在で81件の届出があり、過去最多となりました。県では男女ともに幅広い年代で感染が広がっており、SNSやマッチングアプリの普及が背景にあるとみられています。県は感染予防のためにコンドームの適切な使用を呼びかけています。

■全国で感染者が急増

国立感染症研究所によりますと、全国の梅毒届出数は2024年1月から11月17日までに12,904件(速報値)の届出があり、近年、急激に増加しています。

長野県内の届出数も、ここ数年 急増していて、11月24日現在で81件と、1999年 に感染症法による調査を開始して以降、最多となりました。その後も患者数は増えていて、12月15日時点で89件に上っています。


■若者からシニア世代まで

長野県の今年の梅毒の感染者の傾向として、男女ともに幅広い年代で流行していることが挙げられます。特に男性は20代から60代、女性は10代から40代で感染者が多い状況となっています。

梅毒の初期症状は、感染部位に痛みのない潰瘍ができることがあります。その後、全身に発疹が現れたり、発熱や頭痛などの症状が出ることもあるということです。これらの症状は自然に消えることがありますが、適切な治療を受けないと重症化する可能性があるといいます。

また、約3割の患者は症状が進行してから診断を受けており、早期発見・早期治療の重要性が指摘されています。


■匿名・無料で検査可能

県内の保健所では、匿名・無料でHIV・梅毒・性器クラミジアの検査を実施しています。検査は予約制となっており、感染の不安のある人は最寄りの保健所に問い合わせることが推奨されています。

■SNS普及が感染拡大の一因か

患者報告者数の増加の背景について、県は交流サイト(SNS)やマッチングアプリを通じて、見知らぬ人と簡単に出会えるようになり、不特定多数の人と性的な接触をもつ人が増えている可能性もあるとしています。

また、また、新型コロナウイルスの5類移行後、行動範囲が広がったことも一因とみられるとしている。


■コンドーム使用で感染予防を

梅毒は主に性的接触で感染が広がります。感染を予防するためには、コンドームを適切に使用することが重要です。ただし、コンドームが覆わない部分からも感染する可能性があるため、皮膚や粘膜に異常がある場合は性的接触を控え、早期に医療機関を受診することが勧められています。

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