生まれつき膝から先がないイモリの後ろ脚を切断したら、機能も形も正常な脚が生えてきたと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などのチームが16日までに発表した。イモリやアホロートル(ウーパールーパー)などの有尾両生類が、失った体の部位を再生できることは知られていたが、不完全な脚でも正常に戻る「超再生力」があると分かったのは初めて。
遺伝子に着目して詳しいメカニズムを調べれば、イモリの持つ高い再生能力の秘密が明らかになるかもしれない。
チームは、イベリアトゲイモリで実験。遺伝子を改変する「ゲノム編集技術」で、手や脚をつくる上で重要な「FGF10」という遺伝子を働かなくしたところ、両方の後ろ脚が不完全なイモリが生まれた。後ろ脚を切断すると、指がきちんとそろっていて動きも正常な脚が生えてきたという。
受精卵から成長する過程では、FGF10が他の遺伝子に働きかけて手や脚ができる。しかし、切断面から再生してきた脚では、FGF10が働いていないにもかかわらず、手や脚を作る複数の遺伝子が正常に働いていた。(共同)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。