「日本ワイン」への新規参入が北海道や長野県などで相次いでいるのに「ソムリエ型解説や底の浅い紀行だけで、産業論がない」。こう憂慮した経済学者が「日本ワインは成長産業か」を考察した。
日本ワインとは、国産ブドウのみを原料として国内で製造された果実酒。著者はワイン好きの間で有名なワイナリーを中心に20カ所以上を訪れ、経営戦略や地域貢献の実態も明らかにしていく。
小規模・高コストの典型である日本ワインの課題を分析する一方、耕作を放棄された傾斜地がブドウ栽培に適し、過疎化の抑制にもつながっていると公益性を指摘している。(藤原書店・2970円)
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