栃木県など3県で相次いだ強盗事件。関与が疑われるベトナム人の男2人が逮捕された。警察は犯行の手口が似ているとして、福島県南会津町で起きた強盗致傷事件との関連を調べる方針だ。

<栃木県の事件で容疑者逮捕>
4月30日、栃木県日光市で男2人が住宅に押し入り、現金とキャッシュカードを奪った強盗事件。この事件の被害品であるキャッシュカードを使い、現金を引きだそうとした疑いで、5月15日にベトナム国籍のホアン・フー・ホア容疑者が逮捕された。
栃木県のほかにも、5月6日には長野県、8日に群馬県で相次いで強盗事件が発生。
山あいの住宅を狙うなど犯行の手口が似ていることから、3県の警察が合同で捜査を続けている。
また、ホアン容疑者と同じ宿泊施設にいた23歳のベトナム人の男を入管難民法違反(不法滞在)の疑いで逮捕した。

<福島県の事件との関連を調べる>
福島県南会津町の住宅では、5月14日未明に複数の男が押し入り一人暮らしの60代女性を縛った上で現金を奪う強盗致傷事件が発生。
山あいの住宅を狙う手口など、3県の事件と似ていることから警察では逮捕されたベトナム人の男たちが関与している可能性も含め捜査している。
逮捕を受け住民は「こっちとの関係があって捕まったことを願っています。それで早く終わってほしい」「ちょっとは安心したが、それが確実にその人ではなかったら…」と話した。

<計画的な犯行か?新たに分かったこと>
これまでの鑑識作業などで、男たちは勝手口付近の窓ガラスを割り靴を履いたまま侵入。住宅の中を物色した上で、施錠されていた玄関から逃走したとみられてる。
また捜査関係者によると、被害女性を縛った粘着テープは男たちが準備したもので計画的な犯行とみられている。
住民の間で不安が広がる強盗致傷事件。一日も早い全容解明が待たれる。

■取材を担当する福島テレビ・丹野裕之記者の解説
ーー南会津町で起きた強盗事件と長野・群馬・栃木の3県で相次いだ強盗事件との関連は?
犯行の手口などに似た点が多い。
まずは山あいにある住宅が狙われている。そして、被害者を縛った上で現金を奪うという手口。さらに男2人組で片言の日本語を使っていた。こうした共通項から同一犯の可能性が疑われている。

ーー関連を含めた今後の捜査どう進められる?
南会津町の事件について捜査を尽くすことに変わりはない。
ただ警察は16日までに現場保存を続けているが、一通りの鑑識作業を終えていて、現時点で確認されている住宅内に残されていた犯人の靴の跡、さらには鑑定の結果でDNAが採取できるような遺留物があれば、これらの証拠が今回逮捕された2人に結びつくか照らし合わせていくことになる。

ーー3県の警察の合同捜査班は車両も押収しているということだが?
ナンバープレートを付け替え移動していた可能性もあるというので、これまで目撃されている情報などから、まずは車両を絞り込むことになるが、逮捕された2人がいた群馬県高崎市内のホテルから南会津町までの道のりを逆算的に辿っていく捜査も進めるとみられる。

福島県警察本部では、今後捜査員を派遣することも含め、3県の合同捜査班などと連携しながら事件の全容解明に努めていくとしている。

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