大阪公立大は16日、毒物の青酸カリ(シアン化カリウム)など計50グラムを紛失したと発表した。「運用面やガバナンス上の不備があった」と説明し、警察への届け出が遅れたとして謝罪した。17日にも大阪府警に被害届や紛失届を提出する方針。

大学によると、紛失したのはシアン化カリウムとシアン化ナトリウムで、それぞれ25グラム。いずれも猛毒で、約160〜250人分の致死量に当たるという。最後に保管を確認したのは2023年6月で、24年5月2日に取扱・保管管理責任者の教員が紛失に気づき発覚した。

毒物は鍵付きの保管庫で保管し、鍵は専用の管理ボックスに収納していた。ボックスは事前に登録した教員と学生が職員証・学生証で開けることができ、開閉した人物の氏名や日時が記録される仕組みだった。使用の際は日時や用途などを記録する運用としていたが、10年以降に使用履歴はなかったという。

大学は日常的なチェックがされていなかったなど運用面に不備があったとして、今後再発防止策を取りまとめる。記者会見した桜木弘之副学長は「心配をおかけする事態を招き、深くおわび申し上げる」と謝罪した。

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