栃木県警本部=宇都宮市で、李舜撮影

 栃木県日光市であった強盗事件の被害品のキャッシュカードで現金を引き出そうとしたとして、ベトナム国籍で住所不詳の自称内装工、ホアン・フー・ホア容疑者(25)が窃盗未遂の疑いで栃木県警などに逮捕された事件で、現金引き出しに失敗する直前、同じカードを使って複数回、現金が引き出されていたことが、捜査関係者への取材で判明した。日光市の事件以降、群馬、長野、福島の民家で相次いだ一連の強盗事件への関与も調べている。

 日光市の事件は4月30日未明に発生。2人組の男性が民家に押し入り、住人の70代男性の財布や携帯電話などを奪って逃げた。

 ホアン容疑者は同日午前5時ごろ、栃木県佐野市のコンビニ店内の現金自動受払機(ATM)で、被害品のキャッシュカードを使い現金を引き出そうとしたとして15日に逮捕された。ATMの防犯カメラにホアン容疑者が写っていた。当時、カードは利用停止となっており、現金は引き出せなかった。

 捜査関係者によると、その直前に複数回、同じカードを使って別のATMから現金が引き出された形跡が確認されているという。カードが奪われた後、利用停止措置が講じられるまでの短時間に、繰り返し現金が引き出されたとみられる。

 4県では4月30日から今月14日かけて、山あいの民家で複数の男性が民家に侵入し、住民を縛ったり脅したりして金品を奪う事件が4件発生。栃木、群馬、長野3県警の合同捜査班は、ホアン容疑者と一緒にいた住所不定、無職、マイ・バン・シー容疑者(23)=ベトナム国籍=も出入国管理法違反(不法残留)の疑いで逮捕しており、一連の事件との関連を調べている。【池田一生】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。