国指定重要文化財の部埼(へさき)灯台(北九州市門司区)のガラス窓が割れていることが16日、灯台を管理する門司海上保安部への取材で判明した。門司署は故意に壊された可能性もあるとみて、文化財保護法違反容疑で捜査している。
門司海保によると、4月14日に職員が訪れた際、ドームの三角形のガラス24枚のうち7枚にクモの巣状などのひびが入っていることに気がついた。灯台のそばには離れた場所から持ってきたとみられる手のひらサイズの石が複数、落ちていたという。翌15日に門司署に通報した。
3月22日の訪問時には異常はなかったという。灯台の機能や船の航行に支障はなく、今後、ガラスを交換する。
部埼灯台は、現存する九州最古の灯台で、1872(明治5)年から150年以上稼働する日本最古級の西洋式灯台の一つ。日本の海上交通の要衝である関門海峡を照らしてきた歴史的価値が評価され、国重要文化財に指定されている。
灯台周辺の清掃ボランティアをしている市民団体「美しい部埼灯台を守る会」の永木三茂会長(77)は「きれいな灯台を見せたいと草刈りなどを続けてきたが、心ない人がいることにがっかりだ」と肩を落とした。【井土映美】
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