紅こうじに関する電話相談結果を説明する大阪弁護士会の菅聡一郎弁護士(左)=大阪市北区で2024年5月20日午後1時25分、木島諒子撮影

 小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」を含むサプリメントの健康被害問題で、大阪弁護士会は20日、無料電話相談会の結果を公表した。4月26、27日の2日間に全国の購入者らから延べ80件の相談があった。「被害者と認めてもらえない」などと、小林製薬の対応に不満を抱く購入者もいるという。

 大阪弁護士会によると、腎機能障害などの症状があるとする相談は56件に上った。入院は19件、通院は34件だった。

 相談の主な内容は「慰謝料が支払われるのか」「信用して健康になりたくて飲んでいたのに……」など。今後の補償や健康被害への不安が寄せられ、被害者と認定されないことへの不満を訴える声もあった。

 小林製薬は1月15日に健康被害を把握し、3月22日に公表したが、その前に症状を自覚した相談者も複数いた。公表約5カ月前となる23年10月にサプリを飲み始めた購入者は腎機能障害と診断され、同11月に小林製薬に連絡したが、「関係ない」と言われたという。

 同社ホームページによると、サプリを摂取した人のうち死者は5人、入院患者は延べ276人に上っている。16日時点で約11万9000件の相談が寄せられているという。

 この問題を巡っては国の調査で、原料のサンプルから青カビが作り出す天然化合物「プベルル酸」が検出された。国は健康被害との関連は不明だとし、原因究明を進めている。【木島諒子】

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