鹿児島県警巡査長が捜査情報を漏洩し逮捕された事件で、県警は20日、95事件の告訴・告発の概要に加え、容疑者と被害者、捜査員らの累計304人の名前や生年月日などが流出したとする調査結果を発表した。鹿児島地検は同日、曽於署地域課所属の藤井光樹容疑者(49)を地方公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴。県警は藤井被告を懲戒免職にした。
県警によると、藤井被告は福岡市の60代の男性会社役員に捜査情報を提供していた。「情報を渡して別の情報をもらい、組織内の自分の評価を高めたかった」と話している。金銭のやりとりは確認されていない。304人の内訳は容疑者と被害者、参考人は計196人、捜査員ら県警職員が108人。
捜査状況をまとめた資料は通常、刑事企画課からそれぞれの課の事件担当係宛てにメールなどで送っていたが、2023年は県警本部公安課にも共有。藤井被告は24年3月までの2年間公安課に属していた。
起訴状によると、藤井被告は23年9月ごろ〜10月ごろと24年3月に捜査情報が記載された「告訴・告発事件処理簿一覧表」を第三者に郵送などし、職務上知り得た秘密を漏らしたとしている。
警察庁は、鹿児島県警の野川明輝本部長を口頭による厳重注意とした。県警も藤井被告の当時の上司ら7人を注意したが、懲戒処分を科さなかった。記者会見した野川本部長は「県民に大きな不安をかけ、深くおわびする」と謝罪した。〔共同〕
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