沖縄県内大学生らへのアルバイト紹介事業を手がける学生情報沖縄(上地達也代表取締役)が破産手続きに入ったことが22日、分かった。21日付で登録している学生らに「業務継続は不可能と判断した」との文書を送付した。経営悪化を理由としている。学生へのバイト代は同社が支払う仕組みで、未払いが多く発生しているとみられる。同社の代理人弁護士によると相当数の相談が寄せられているという。現時点での被害額などは未定としている。
同社ホームページ(HP)によると、アルバイトを求める企業が期間や人数などを同社へ伝達。同社は登録している学生へLINE(ライン)やメールで募集し、マッチングした学生を企業へ紹介する仕組み。
HPには学生の登録数は7千人と記載。県内の大学生、専門学校生、高校生で、琉球大と沖縄国際大の学生が多いという。
関係者によると給与は現金渡しで、毎月20日に同社で受け取る仕組みだったという。昨年10月から修学旅行ガイドのアルバイトをしてきた沖国大の学生(22)は、4月に給与を受け取りに行った際「今すぐには払えない。払えるときに連絡する」と言われたが音沙汰はなく、今月21日に破産手続き開始を知った。1万3千円を受け取れておらず「何の説明もなく腹立たしい」と憤った。別の関係者によると、数十万円支払われてない学生もいる。
同社は通知書で、未払いの給与は「直ちに支払える状況にない」と謝罪。企業倒産で賃金が支払われない労働者に未払い賃金の一部を労働者健康安全機構が支払う「未払賃金立替払制度」を使い「可能な限り対応する」としている。
一方、同機構HPで立て替え払いは「未払い賃金の総額が2万円未満は対象外」であることや、立て替え払いの額は「未払い総額の8割」との説明があり、どの程度の学生が救済されるかは不透明だ。代理人は、実際の登録者数や被害状況は調査中としている。
東京商工リサーチによると同社は2016年11月設立。資本金は2千万円。(社会部・大野亨恭)
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