バトントワリングチームの男子選手に性的暴行を加えたなどとして、京都府警は23日、チームの元コーチ、小城桂馬(こじょう・けいま)被告(40)=強制わいせつ罪で起訴=を準強制性交等と準強制わいせつの疑いで再逮捕した。「弁護士が来るまで何も話しません」と供述しているという。
再逮捕容疑は2023年3月10日と15日、当時住んでいた京都市南区の自宅マンションで、高校生だった男子選手(19)が抵抗できないのに乗じ、体を触るなどのわいせつな行為や性的暴行を加えたとしている。
府警によると、男子選手は23年2月26日に小城容疑者からわいせつな行為をされ、その後は2人で会うのを避け、誘いも断ったという。しかし、拒否を続ければ指導を受けられなくなり、3月下旬の全国大会にも出場できないと案じて、自宅マンションに行った。男子選手は入室を拒んだが、近くに呼び寄せられ、被害に遭ったという。
こうした状況を踏まえて府警は、小城容疑者が指導者と選手という支配・従属関係を背景に、行為に及んだと判断。準強制性交等と準強制わいせつの容疑での再逮捕に踏み切った。
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被害に遭った男子選手の両親は「男やったら抵抗できるやろ、18歳(事件当時)やったら逃げられるやろと言われるが、そうではない。抵抗できない怖さを分かってほしい」と訴える。
男子選手が誘いを断り切れなかった背景には、小城容疑者の影響力の強さがあるとみられる。このチームはバトン界では著名な男性指導者が設立し、小城容疑者はチームの代表という立場だった。
男子選手は世界の舞台を目指しており、別のメンバーが小城容疑者の誘いを断り、冷遇される様子を目の当たりにしていた。
両親によると、普段の男子選手は、自らの意思をはっきり示す性格だという。「そんな息子が、被害に遭った時、目をつぶって『はよ終われ』と思っていたと言った。それを聞いた時はもう……」と振り返った。【林田奈々、水谷怜央那】
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