北海道の日高山脈の「カール」(圏谷)と呼ばれる地形=環境省提供・共同

中央環境審議会は23日、北海道の日高山脈地域を「日高山脈襟裳十勝国立公園」として指定するよう伊藤信太郎環境相に答申した。国内で35番目の国立公園となる。

陸域約24万5600ヘクタールと国内最大で、海域は約6500ヘクタール。7月をめどに官報で告示される。新たな国立公園の指定は2017年の「奄美群島(鹿児島)」以来。

現在の「日高山脈襟裳国定公園」を格上げし、広さは2倍以上になる。名称に「十勝」を追加した。広大な原生林や、氷河に浸食された「カール」(圏谷)と呼ばれる大規模な山岳地形が広がる。貴重な高山植物やシマフクロウ、クマタカの生息でも知られる。

新たな名称を巡り、地元自治体は「十勝」の追加を要望する一方、自然保護団体などは観光利用目的で加えることに反対。中央環境審議会の部会は2月、委員の多数決で十勝を入れると決めた。

「利尻礼文サロベツ国立公園」(北海道)と並んで、最も長い名称の国立公園になる。〔共同〕

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