NTT西日本の子会社から約928万人分の顧客情報が流出した事件で、不正競争防止法違反(営業秘密の領得、開示)の罪に問われた元派遣社員、景山昌浩被告(63)は23日、岡山地裁津山支部で開かれた初公判で起訴内容を認めた。検察側は懲役3年、罰金100万円を求刑し、即日結審した。判決は7月11日。

捜査関係者によると、被告は複数の名簿業者に約250回にわたり顧客情報を売却し、約2500万円を受け取ったとみられる。

公判で検察側は、被告は2014年に通信教育大手で起きた情報流出事件に着想を得たと指摘。派遣先のNTT西子会社で、コールセンターシステムの運用保守担当という立場を利用し「借金返済のため顧客情報を売却した」とした。

被告は被告人質問で「派遣先の待遇が不満だった」と述べた。弁護側は「被告は反省している」として執行猶予付き判決を求めた。

起訴状などによると昨年1月17日、同社から営業秘密に当たる顧客の氏名や住所など3万2700人分のデータを不正にダウンロードして複製し、名簿業者にメールで送信したとしている。〔共同〕

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