大阪の清風高校の男子生徒が、試験でカンニングをした後に自殺したのは、行き過ぎた指導が原因として遺族が訴えた裁判が始まり、学校側は訴えを退けるよう求めました。

【自殺した男子生徒の父親】「子供はすごく優しくて、明るい子供で。学校にスマホを持ち込んだらだめってなってるんですけど、うちの子は生真面目に校則なんで持っていっていることはなかったです」

こう語ったのは、2021年に自ら命を絶った清風高校2年生の男子生徒の父親です。

訴えによると清風高校では、「カンニングは卑怯(ひきょう)者がすること」と日ごろから指導されていました。期末試験でカンニングをしてしまった男子生徒は、全教科0点、写経80巻などの処分を受けたほか、次のような指導を受けたといいます。

【自殺した男子生徒の父親】「(同席した母親によると)息子は『ずるいことをしました』っていうことを言ったらしいんですけど、教員が追加的に『それだけじゃないだろ?』って言って、子供が『卑怯なことをしました』と発言したと聞いています。家内は普段から子供が『卑怯者』という言葉をほとんど使ったことはなかったので、その言葉がすごく頭に残ったって言っています」

男子生徒はその2日後に自ら命を絶ち、遺書には「卑怯者と思われながら生きていく方が怖い」と書かれていました。

【自殺した男子生徒の父親】「校則違反(カンニング)がいけないことやと分かっていますし、一定の指導が必要だと思っているんで、そこは非難はしていません。反省の姿勢を十分出しているにも関わらず、『卑怯者』って言わされたりとか、非常に圧迫感のあるような指導の仕方はどうなのかなと思います」

学校側は第三者委員会を設置して調査をしたものの、指導と自殺との因果関係を認めなかったことなどから、両親は約1億円の損害賠償を求めて裁判を起こしていました。

そして5月24日に始まった裁判。学校側は「教師から指導の際、『卑怯者』と言わせていたとの証言は得られていない」などと述べて、遺族の主張を否定。さらに「これまでに同様の指導を受けた生徒が自死に至ることもなかった」などとして、訴えを退けるよう求めました。

【自殺した男子生徒の父親】「生徒によって厳しい指導や発言で受け止め方が異なることが分からないのかなと思っています。清風学園に全く責任がないのはおかしいと思います」

遺族は「裁判を通じて、学校でこのようなことが二度と起こらないようにしたい」と話しています。

(関西テレビ「newsランナー」 2024年5月24日放送)

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