兵庫県加古川市の自動車専用道路で2023年1月、自損事故で停車した車にトラックが衝突し、男児ら2人が死傷した事故で、居眠り運転で事故を引き起こしたとして自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた母親の芝小百合被告(25)に神戸地裁(丸田顕裁判官)は27日、禁錮2年、執行猶予2年(求刑・禁錮3年)の判決を言い渡した。
弁護側は、トラックの運転手は衝突現場の手前で被告の軽自動車のハザードランプを視認し回避できたとし、被告の過失と死傷結果に因果関係はないと無罪を主張していた。丸田裁判官は「視認できた光がハザードランプであるかや発光位置は一見して明らかではなく、回避は難しかった」と述べ、被告の運転と死傷の因果関係を認定した。一方で「被告の過失は運転者なら誰でも犯しかねない」とし、執行猶予付き判決が相当とした。
判決によると、芝被告は23年1月4日午前3時10分ごろ、加古川市の加古川バイパスで軽自動車を居眠り運転してガードレールに衝突し停車。その43秒後、法定時速を30キロ超過する時速90キロで走行中のトラックが追突したことで、後部座席に乗っていた長男(当時1歳)を死亡させ、長女(当時2歳)には自力で動けない「遷延(せんえん)性意識障害」などの後遺症を伴う重傷を負わせた。
この事故を巡っては、神戸地裁が23年11月、トラックを運転していた男性(67)に禁錮3年、執行猶予5年(求刑・禁錮3年)の判決を言い渡している。【大野航太郎】
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