黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)は27日、能登半島地震の被害に遭い10月に延期していた同社運行のトロッコ電車の全線開通を本年度は断念すると明らかにした。落石で損傷した橋付近の斜面の被害が大きく、工期が遅れるのが原因。
県は同日、トロッコ電車の全線開通に合わせ予定していた新しい観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放も来年度以降に延期するとした。新田八朗知事は「全国から関心が集まっていた。関係する皆さまには申し訳ない。震災の影響に負けず、引き続き関係機関と連携して準備を万全にしていきたい」と話した。
復旧工事を担う関西電力によると、トロッコ電車の走行ルートである鐘釣橋付近にある岩峰を現地調査したところ、崩れる恐れのある岩塊を除去する工程などが加わり、復旧完了の時期は見通せないとしている。
トロッコ電車は例年、雪の解けた4月中旬〜11月末に運行されるが、本年度は温泉街のある宇奈月から猫又までの一部区間のみの営業となる。
黒部宇奈月キャニオンルートは、欅平駅(黒部市、標高600メートル)から黒部ダム(立山町、標高1470メートル)までの約18キロを機関車などで結ぶルート。〔共同〕
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