30日午前9時ごろ、山梨県の陸上自衛隊北富士演習場で、訓練中の20代の男性隊員に爆発した手りゅう弾の破片があたり、死亡した。

30日午後、陸上自衛隊・森下陸幕長が会見を行い、今回の事件について、「故意に投げたものではない」と話した。
そして、亡くなったのは射撃などを指導する隊員で、「原因は調査中」ということだが、目標付近に投てきされて、正常に爆発したという。

このニュースについて、元陸上自衛隊陸将の山下裕貴氏に話を聞く。

──正常に爆発したにもかかわらずということだが、陸幕長の話をどう受け止める?
調査中ですので断定したことは言えないですが、今のところ、安全管理体制がしっかり徹底されていなかったと。
それから、壕の中に、手りゅう弾を投げる投てき手とそれを指導する人が入っていたと思うが、投げていない方の隊員がけがをしているとなると、かがむ前に爆発してしまったということが考えられます。

別の駐屯地で行われた訓練の映像を見ると、隊員が手りゅう弾を遠くに投げてすぐに伏せると、数秒後に標的付近で爆発した。
そして今回事故が起きた北富士演習場の映像を見ると、同じように身を隠す場所があることがわかる。

──取り扱いや訓練での安全管理に何か問題があった可能性はある?
もちろんそれが撤退されれば事故は起きないんですが、まず演習用の爆発しない手りゅう弾を投げて基礎訓練を徹底したあとで、しっかりとした動作で投げると。
もしかすると、射撃係が伏せるのに時間がかかってしまったと。
「投てき用意」でしっかり握る、「ピン抜け」で安全ピンを抜く、「投げ」で投てきする。
正しく動作はしてるはずですが、安全体制の規則がしっかり徹底されていなかったのかなと思います。

──破片が飛んできたという情報入ってきているが、そういったものが飛んでくる可能性もある?
基本的には、投てきされた、落ちたところから5メートルから9メートルの範囲内が有効だといわれているが、飛び方によっては30メートル以上、破片が飛んできて、当たりどころが悪ければ、顔とのどと言っていますので、防弾チョッキなどを着ているが顔とのどのところが出ているので、そこに当たったのかなと。

──今後、原因究明にどんなことが必要になってくる?
今から、捜査機関も入ってしっかりした態勢で、なぜけがをしたのか。投てきした、投てき手に起因するのか、あるいは射場勤務の中にいる射撃係に起因するのか、そこを徹底して2度と発生しないように改善することが必要。

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