「あまりにも犯人が身勝手な考えで。2人に猛スピードで突っ込んで跳ね飛ばして、2人を死亡させた。こんな残忍な事件はないと思います」
こう話すのは、影山初吉さん。あの日、2人と一緒に清掃ボランティアを行っていた。影山さんは「最終判決が出ました。残念ながら、無期懲役でした。という事を報告しました。力及ばず申し訳ないという気持ちです」と話す。
2020年5月31日、福島県三春町の国道で起きたひき逃げ殺人事件。橋本茂さんと三瓶美保さんが、盛藤吉高被告の運転するトラックにはねられ死亡した。
殺人などの罪に問われた盛藤被告に対し、一審は死刑を言い渡したが、二審は「確実に2人の命を奪うまでの意欲は認められない」などとして一審を破棄、無期懲役を言い渡した。
この判決を不服として、仙台高等検察庁は最高裁判所に上告。最高裁判所は「綿密な計画や周到な準備に基づき、殺害を確実に遂げるべく実行した犯行とはいえない」などとした上で「死刑を選択することが真にやむを得ないとまでは言い難い」として上告を棄却。これにより、盛藤被告の無期懲役が確定した。
影山さんは「極刑を望んでいました。犯人には、少しでも良いから金銭面でも気持ち的にも償って貰いたい」と話す。
事件後、休止したままになっている清掃ボランティア。影山さんは2人の意思を継いで再開を目指している。
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