警察官がクマに襲われた秋田県鹿角市の山林で、収容された男性の遺体に付着していた動物のものと見られる体毛について、県はDNA鑑定した結果「クマと特定できる情報は得られなかった」と明らかにした。県は、現場でクマの体毛が採取できないかアプローチする方針だ。

鹿角市十和田大湯の山林では、山菜採りで遭難した男性の遺体を搬送しようとした警察官2人が、クマに襲われて大けがをした。

遺体には大型の動物にかまれ、爪で引っかかれた傷があり、死因は失血死と見られている。

県は、警察官のほか男性もクマに襲われた可能性があるとみて、個体を特定して捕獲し、再び被害が及ばないように分析してきた。

男性の遺体の衣服には、クマのものとみられる3本の体毛が付着していて、県は県立大学のバイオテクノロジーセンターにDNA鑑定を依頼した。

しかし、毛が水分を多く含むなど状態が悪く、DNAが壊れていたため、性別や個体の識別などクマと特定できる情報は得られなかったという。

5月31日には、男性の遺体が見つかった現場から約500メートルの地点で、雌の成獣のクマ1頭が箱わなに入り、駆除されている。

県は今後、安全が確認され次第、現場周辺でクマの体毛が採取できないか試み、駆除されたクマとDNA型を照合して個体の特定を目指す。

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