警視庁

 自身が拉致監禁されているように装い、恋愛感情を抱かせた女性から身代金名目で現金をだまし取ろうとしたとして、警視庁大崎署は6日、北海道函館市、無職、西村祐一容疑者(45)を詐欺未遂容疑で逮捕したと発表した。大崎署は、西村容疑者が恋愛感情を抱かせる「ロマンス詐欺」の手口で複数の女性から現金を詐取していたとみて調べる。

 逮捕容疑は5月中旬ごろ、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の音声通話で、神奈川県厚木市の30代女性に「ヤミ金業者に拉致監禁されている」などとうそをつき、解放されるために必要な身代金として現金25万円をだまし取ろうとしたとしている。心配した女性が110番し、捜査の結果、西村容疑者の自作自演だったことが判明した。「生活費に充てるつもりだった」と容疑を認めている。

 大崎署によると、西村容疑者は約2年前に仕事で女性と知り合い、既婚者であることを隠して2023年夏ごろに「婚約」していたという。「財布を落とした」「車が壊れた」などとうそを繰り返し、女性から数百万円をだまし取っていたとみて調べる。

 女性は西村容疑者について「精神的な支えだった。彼と夫婦として暮らしていくから、彼の言葉を信じてお金を渡し続けた」と話しているという。【朝比奈由佳】

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