2023年度に、経済的な理由で私立高校を中退した学生が前年度の約2倍の62人に増加し、中退率も上昇したことがわかった。

全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は6日、文部科学省で会見を行い2023年度に経済的な理由で学校を中退した学生数などについて調べた結果を発表した。

この調査は、私立高校に通う約28万人の学生から回答を得たもの。

調査によると、2024年3月末時点で2023年度に経済的な理由で私立高校を中退した学生は62人で、前年度の34人から約2倍増加した。

中退率も前年度の0.013%から上昇し、0.022%だった。
また、3カ月以上学費を滞納している私立高校生は558人だった。

滞納率が最も高かったのは大阪府で、2番目は青森県、3番目は山形県だった。
また、経済的な理由で修学旅行に参加しなかった私立高校生は全国の43校で181人だった。

この調査に参加した学校の教職員などからは「ひとり親家庭で収入が少なく、本人もアルバイトで学費を出していて、修学旅行は不参加」「物価高で家計が苦しくなり、学費が後回しになってしまう」などのほか、「経済的理由により進路希望を変更する生徒がいる」との声もあった。

私立高校を含む高校の授業料をめぐっては、東京都が2024年度から所得制限を撤廃し実質無償化となっているが、全国私教連によると県独自の授業料免除制度が無い県もあり、国が行っている「高等学校等就学支援金制度」は世帯年収が約910万円未満に限られている。

会見で全国私教連は、「子どもたちが学ぶ権利は平等でなくてないけない」と強調し国の支援制度のさらなる充実を求めた。

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