旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏による性加害問題で代表取締役を退くとしていた藤島ジュリー景子氏。
2023年10月に「今後私はすべての関係会社からも代表取締役を降ります」と退任を約束していたにもかかわらず、今もなお、関連会社3社の代表取締役にとどまっていることが判明した。
8カ月前の約束は、なぜ守られないのか。
守られない8カ月前の約束…いまだ関連3社の代表取締役
被害者補償にあたる「SMILE-UP.」のコンプライアンス責任者・山田将之CCOが、FNNの取材に応じた。
山田将之氏:
藤島が数社、代表取締役会長としてまだ残っているというところは事実ですが、いずれも経営に携わっているということはありません。暫定的な後任が決まるまでの状況でして、近日中に後任が決まれば、速やかに藤島の方が退任をするという予定でおります。
藤島氏が経営に携わっていないとしつつも、関連会社3社の代表を続けていることを認めたうえで、退任時期についてこう話した。
危機管理専門家「退任と同時に株を手放すことが必要」
いまだに藤島氏が代表の座から退いていないことについて、危機管理の専門家である桜美林大学の西山守准教授は、「当初表明されていた宣言と矛盾している。役職をすべて退いたとしても、大株主であるかぎり経営権は握れる状況にあります。実質的に経営は支配されているとみなされます。代表取締役から退くと同時に、株を手放していくということが必要になる」と解説する。
藤島氏がSMILE-UP. の関連会社の株をいまだに保有していることについて、STARTO社に確認したところ、「今後、株式の保有割合を減らしていく予定で、会社に対する影響力は縮小していくと認識している」とコメントした。
また被害者への補償について、5月末の時点で被害を訴え出た993人に対し、補償金の支払いが完了したのが423人。
山田氏は「数カ月以内には、現在補償の申請をしていただいている方に対し、何らかの連絡ができるようにと思っております」と説明する。
一方で、被害を申告した人の中で、126人が補償の対象にはならないと判断している。
ジャニーズ性加害問題当事者の会・元代表の平本淳也さんのもとには、今も補償に関する相談が来ているという。
平本さんは「被害には遭っているんですけど、旧ジャニーズ事務所に所属していたのかどうかが自分でも理解できなかった人、在籍確認が取れない人は、対象外となってしまう」と問題を提起する。
対象外になった人に対し、面会や面談を再び実施し、調査が必要だと訴えた。
国連が指摘の弁護士費用「加味した金額を提示」と山田氏
また5月に、国連人権理事会から、被害者に弁護士費用を自己負担させているのは「容認できない」という指摘がされた。
そのことについて、山田氏は「日本の通常の裁判例の相場などに照らすと、高額の金額が設定されていると理解していまして、その中には、弁護士費用や手続きに関するような費用も加味した金額も提示されているのかなと理解しています」と述べた。
(「イット!」6月7日放送より)
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