この週末、北朝鮮による拉致問題の解決を訴えるため、被害者である蓮池薫さんや曽我ひとみさんがそれぞれ講演。残された被害者が親子の再会を果たすまで時間がない中、政府への訴えにも力がこもります。

【曽我ひとみさん】
「解決とは本当にほど遠く、北朝鮮との交渉も続けているのかさえ分からない現状に本当に憤りを感じている」

新潟県佐渡市の前浜小中学校の子どもたちに、こう訴えた拉致被害者の曽我ひとみさん。

北朝鮮との水面下交渉が伝えられる中でも、ともに拉致され今年93歳になる母・ミヨシさんについての情報は得られないままです。

【曽我ひとみさん】
「母はちゃんと食べられる環境にいるのだろうかと胸が締めつけられる日々」

講演後、子どもたちは曽我さんに手作りのブルーリボンを手渡し、一日も早い被害者の帰国へ思いを一つにしていました。

一方、上越市で6月9日、約200人を前に講演したのは拉致被害者の蓮池薫さんです。

帰国できていない被害者の親が横田早紀江さんなど2人だけになったことに触れ、親子の再会まで時間がないことを北朝鮮へのプレッシャーにしなくてはいけないと訴えました。

【蓮池薫さん】
「親子が会ってよかったねと、みんな拍手してくれるのであって、(親が)亡くなったあと『そろっと(交渉を)やりましょうか』と言ったって、(日本は)『何をいまさら言っているんですか』となる。だから今しかない」

蓮池さんはまた、「多くの人が拉致問題に関心を寄せていることは北朝鮮へのプレッシャーとなる」と述べ、講演会の参加者に感謝していました。

一方、6月7日には、横田めぐみさんの弟で家族会で事務局の次長を務める横田哲也さんが参議院の拉致問題特別委員会に出席。

【家族会 横田哲也 事務局次長】
「どれだけこちらが100%頑張ろうが、北朝鮮が120%やる気がないと言われれば前進しないので、いかに北朝鮮の思いをこちらが引っ張れるか。それを日本政府がどうやることが一番効果的なのか考えていただければと思う」

家族との再会まで時間の期限が迫っていることを意識しながら、拉致被害者やその家族は政府に対し、日朝首脳会談の実現へ最善を尽くすよう求めています。

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