防衛省=東京都新宿区で、小川昌宏撮影

 伊豆諸島・鳥島沖で4月、海上自衛隊の哨戒ヘリコプター「SH60K」2機が衝突し墜落した事故で、木原稔防衛相は14日、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)が保有する無人探査機「ディープ・トウ」を使って機体捜索を行うと発表した。同機構の協力を得て、7月上旬から現場海域に投入する方向で調整しているという。

 ディープ・トウは高性能のカメラやソナーを搭載した無人探査機を船でえい航し、水深6000メートルまでの海底や海中を広範囲に捜索できる。防衛省によると、現時点で調査期間は決まっておらず、調査にかかる費用は同省側が負担する。

 墜落した機体は水深5500メートルの海底に沈んでいるとみられ、海自は海底地形などを調べる海洋観測艦「しょうなん」を現場海域に派遣し、収集したデータの分析を進めていた。木原氏はこの日の記者会見で「機体の発見には至らなかった。『しょうなん』の能力に問題があったわけではないと思う」などと述べた。

 事故ではヘリ搭乗員8人のうち1人の死亡が直後に確認され、7人が行方不明となり、防衛省は11日に「死亡と判断するに至った」と発表した。【松浦吉剛】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。