福岡市の博多駅前で2023年1月、会社員の川野美樹さん（当時38）を待ち伏せし刺殺したとして、殺人やストーカー規制法（禁止命令）違反などの罪に問われた元交際相手、寺内進被告（32）は17日、福岡地裁の裁判員裁判初公判で「刺したことは間違いないが、待ち伏せしたことは違います」と述べた。
検察側は冒頭陳述で「被害者の勤務先近くで待ち伏せした。激高して包丁を逆手で振り下ろし転倒させ、少なくとも17回突き刺した」と指摘。川野さんがストーカー被害を県警に相談したことを逆恨みしたと主張した。
弁護側は「別の用事があって現場付近におり、偶然に被害者の姿が目に入った」と反論。凶器の包丁は護身用に持ち歩いていたと述べた。
起訴状によると22年11月、同法に基づき福岡県警から付きまとわないよう禁止命令を受けていたのに23年1月16日、福岡市博多区の路上で待ち伏せし、午後6時15分ごろ、川野さんの胸や頭を包丁で多数回突き刺し、失血死させたとしている。
寺内被告は、22年8月に面識のない男性を殴り約7カ月の重傷を負わせたとする傷害罪について、裁判官のみで有罪かどうかを判断する区分審理が実施され、地裁は今年3月、有罪の部分判決を言い渡した。裁判員裁判の判決で量刑が言い渡される。〔共同〕
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