去年、店の現金を盗んだ疑いでコンビニ店員の女性が誤認逮捕された事件で、女性が兵庫県などを相手取り、損害賠償を求める訴えを起こしました。
訴状などによると、女性が勤務していた兵庫県尼崎市のコンビニエンスストアでは去年、釣銭を保管していた箱から現金が無くなる事案が発生。
運営会社の社員は当時勤務していた女性の犯行だと決めつけ、警察に通報しました。
■盗まれたとみられていた現金は運営会社が本部に送金
女性は一貫して犯行を否認し、防犯カメラの映像を確認してほしいと伝えましたが、警察でも聞き入れられず、窃盗の疑いで逮捕されました。
しかしその後、盗まれたとみられていた現金は運営会社が本部に送金していて、被害そのものがなかった事が判明しました。
女性が釈放されたのは連行されてからおよそ1日後のことでした。
■「裏付け捜査をしなかった」と原告側が主張
女性の代理人弁護士は、誤認逮捕に至ったのは「運営会社の被害申告をうのみにして、裏付け捜査をしなかった」「警察や裁判官、わずかな注意を払っていれば発生しなかった」などと主張していて、国と兵庫県、コンビニエンスストアを経営する会社を相手取り、330万円あまりの損害賠償を求め、神戸地方裁判所に訴えを起こしました。
■「どれほどの屈辱か」「私の人生を踏みにじった」と女性
訴えを起こした女性(60代)は、提訴後の会見で「どれほどの屈辱を受けたか、その中から抜け出すことができないことを分かってください。自分のような思いをする人を二度と作らないでほしいです。私の人生を踏みにじった罪は許せません」と涙ながらに語りました。
■兵庫県警「適切に対応したい」
提訴を受け兵庫県警は「訴状の内容を検討し関係機関と協議のうえ適切に対応したい」としています。
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