文部科学省は19日のいじめ防止対策協議会で、「いじめ重大事態」の調査に関する指針改定の素案を示した。調査報告書の標準的な記載項目を示したほか、調査委員会メンバーの中立性・公平性確保の考え方や初動対応の在り方などを整理した。今後、パブリックコメント(意見公募)などを実施した上で改定する。

いじめ防止対策推進法は、いじめで児童生徒が自殺したり長期欠席したりするケースを重大事態と定義。学校には文科省や自治体への報告が義務付けられており、速やかに事実関係を調べ、被害者側に適切な情報提供をしなければならない。2022年度に発生した重大事態は、過去最多の923件だった。

調査委メンバーの中立性に疑義が出ることもあったことから、弁護士会などの推薦による人選について「第三者性が確保されていると考えられる」と記すなど、選定方法を明示した。調査報告書に関しては、事実経過や学校の対応、再発防止策などを盛り込むよう求めた。

従来の指針は17年に策定された。ただ初動遅れや説明不足により、保護者らとトラブルになるケースがあったことなどから、文科省は改定が必要と判断した。

素案では、学校や教委に平時からの体制構築を要請。保護者と共通理解が図れるよう、調査開始前に行う説明の手順や内容を示した。

〔共同〕

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