東京女子医科大(東京・新宿)と同窓会組織・一般社団法人「至誠会」が、医学部卒業生の親族を対象とした推薦入試の受験生側から寄付を受けていたことが24日、関係者への取材で分かった。同会は推薦者決定に際し受験生側に寄付実績を申告させており、選考材料の一つとしていたとみられる。
文部科学省は通知で、私大の入学に関し学校法人やその関係者が寄付金を収受することを禁じており、大学側に報告を求めている。
関係者によると、この推薦入試制度は2019年度入学者の試験から始まり、推薦枠は10人程度。出願資格は3親等以内の親族に至誠会の会員(卒業生)か準会員(医学部在校生)がおり、同会の推薦を受けた人だった。受験希望者は、至誠会に推薦依頼の書類を提出。筆記や面接を経て同会の推薦を得た人が、その後大学の試験を受けて合否が決まる仕組みとなっていた。
推薦依頼の書類には、大学や同会への寄付実績を記入する項目があり、同会は筆記や面接の結果と合わせて評価材料にしていたとみられる。
大学は「特定の個人に寄付を求めた事実はなく、文科省通知に違反している認識はない」としている。ホームページによると、25年度入学者の試験からは制度を変更し、受験資格に至誠会の推薦は不要となった。
東京女子医大を巡っては、医学部卒業生を教授や講師などに採用する際、至誠会への寄付額などを評価対象としていたことが分かっている。〔共同〕
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