奈良県庁=中津成美撮影

 奈良県は25日、吉野町柳の山中で22日にツキノワグマが出没し、駆除したと発表した。けが人はなく、周辺の民家にも被害はなかったという。県によると、現場は従来、ツキノワグマの生息が報告されていない吉野川より北の地域だった。吉野町は比較的、民家に近い場所で出没したとして、町民に注意を呼び掛けている。

 県や吉野町によると22日午後1時ごろ、イノシシやシカなどの有害鳥獣による被害の警戒をしていた地元の猟友会の猟師らがクマに遭遇。襲われそうになったため、やむをえず駆除したという。

 町によると、クマは体長約1・1メートル、体重約50キロで雄とみられる。県によると、1月以降の県内でのツキノワグマの目撃情報は22日時点で38件で、前年の1~6月末の18件から倍増している。クマに万一遭遇した場合、目を合わさずゆっくりと音を立てずに逃げるよう呼び掛けている。【山中尚登】

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