危険な交通違反を繰り返す運転者に安全講習を義務付ける「自転車運転者講習制度」について、警察庁は27日、対象とする違反行為に運転中の携帯電話使用(ながら運転)と酒気帯び運転を加える方針を明らかにした。28日からの意見公募を踏まえて道路交通法施行令を改正し、11月にも対象を拡大する。

自転車のながら運転と酒気帯びに対する罰則を新設するなどした改正道路交通法が5月に成立し、罰則規定は11月に施行される見込み。これらの違反行為について、罰則の整備だけでなく運転者講習の対象にもすることで、マナー向上を図る。

自転車の運転者講習は2015年に導入された。一定の違反を重ねた場合に都道府県の公安委員会から受講命令を受ける。講習は運転免許試験場などで開かれ数千円の受講料がかかる。受講しなければ命令違反として5万円以下の罰金が科せられる。

現在、信号無視や通行区分違反、妨害運転といった計15類型の違反行為が運転者講習の対象となっている。施行令を改正し、ながら運転と酒気帯び運転を加える。

自転車はシェアリングサービスが普及する一方、走行マナーの悪化が目立つ。全国の警察による摘発は22年に2万4549件で13年の約3倍に増えた。

警察庁は26年にも、自転車の交通違反取り締まりで「反則金」を導入する。新たな違反処理の運用や交通ルールについて理解を深めてもらうため、交通安全教育の強化に向けた体制整備も進める。

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