■毎日1000万円の被害 年間36億円の特殊詐欺

大阪府は、特殊詐欺対策の全国初の取り組みとして、ATMでの高齢者の携帯電話の使用を、条例で禁止することを検討していると発表しました。

大阪府では、昨年の特殊詐欺被害が2656件と過去最多となったほか、被害総額は36億円あまりで、毎日およそ1000万円の被害が発生しています。

対策強化のため、大阪府は、特殊詐欺対策の条例を改正し、金融機関などのATMで、携帯電話の使用を禁止することを検討していると発表しました。

■ATMで携帯電話の「使用禁止」を検討 全国初

犯人側が高齢者に携帯電話で指示し、ATMで振り込みをさせる手口が多いことから、使用禁止の対象は、65歳以上の高齢者に限定。
使用の「禁止」にまで踏み込むのは全国初だということです。

■『おじいちゃん、おばあちゃんの老後資金守る』

大阪府の吉村洋文知事は27日記者団に「高齢者のおじいちゃん、おばあちゃんがATMの前で携帯電話で話しながら操作する必要って、どのぐらいそんな必要はあるんだろうかと。非常に悪質な犯罪だと思っています。おじいちゃん、おばあちゃんが一生懸命貯めた老後の資金をですね、だまし取るわけですから。何とかこれを防いでいきたい」と語りました。


■設備負担は金融機関か行政か

一方で、課題となるのは、金融機関の負担です。
特に無人のATMに誘導されるケースが多いということで、こうした環境でも、携帯電話を使用しているか確認できる設備が必要となることが想定されます。

吉村知事は、金融機関などに費用を負担してほしいと話していますが、行政と金融機関のどちらが費用を負担するのか課題となりそうです。

■「現状はATMに大きなステッカーを貼るなどして啓発」と銀行関係者

銀行の関係者は、関西テレビの取材に対し「個別の銀行の問題ではなくなるので、大阪府内の銀行全体として動かなければいけなくなると思う。現状取り組みでは様子がおかしな人への声がけや、無人ATMには大きなステッカーを貼るなどしている」と語りました。

■プリペイドカード販売の際 目的の確認義務化も検討

このほか、コンビニエンスストアなどがプリペイドカードを販売する際、購入目的の確認を義務化することも検討されています。

大阪府は、金融機関などと調整の上、来年2月の議会に条例の改正案を提出したいとしています。

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