事実婚の男女らが夫婦別姓のまま婚姻できる地位の確認と損害賠償を国に求めた集団訴訟の第1回口頭弁論が27日、東京地裁であり、原告側は「同姓か別姓かを選べる婚姻制度にしてほしい」と述べた。国側は「新制度を求める訴えは司法審査に適さない」として退けるよう求めた。
別姓訴訟では過去に2度、最高裁が合憲判断を示している。今回は、30~60代の事実婚の男女5組と法律婚の男女1組が東京、札幌両地裁に提訴した第3次の集団訴訟で、夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定は違憲だと主張している。
27日は原告の3組が意見陳述した。長野県在住の内山由香里さん(56)と小池幸夫さん(66)は1991年に法律婚をした後、「ペーパー離婚」で事実婚を選んだ。
内山さんは時間と費用をかけて、運転免許証やパスポートを「小池」姓に変更せざるを得ないことに理不尽さを覚えたと吐露。「別姓や通称使用に『わがまま』と中傷を受けるが、多くの男性は姓を変えなくてもわがままだと言われない。男女差別だ」と訴えた。
夫婦別姓を巡っては、経済界からも別姓を選択できる制度の導入を求める声が上がっている。経団連は6月、旧姓を通称使用する仕組みは「ビジネス上のリスクにつながる」として早期実現を提言した。【菅野蘭】
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